小国郷オンライン住民フォーラム2021 終了!

2021年2月27日、小国郷オンラインフォーラムが無事終了しました。

昨年11月末頃より準備を開始。医療・介護業界の枠をこえて実行委員会を組織したのが1月、熊本県下がコロナ禍であった事もあり、打ち合わせはほぼオンライン。withコロナの新しいフォーラムの開催方法を探り探りで準備していきました。

12名の実行委員がそれぞれの得意技を持ち寄り、ZoomウェビナーもYouTubeLiveも誰一人使った事がなかったところから、約2ヶ月ほどで本番までこぎつける事ができました。手前味噌ながら、素晴らしいチームワークでした。

本番の直前の準備で初めてリアルでお会いする方もおり、変なタイミングで初対面のご挨拶したのも新鮮でした。

さて、フォーラムには、約130名の方がリアルタイムでオンラインで参加されました。

そして、その後YouTubeの録画の再生回数は1週間で400回をこえております。

以下のアドレスから、Youtubeで動画をみることができます。

https://youtu.be/3wQ9SdyZSFI


フォーラム内容

【第1部】

「病院がまちに溶け込むとは?

〜地域づくりと病院運営をするなかで見えてきた甲佐町のかたち〜」

谷田病院 藤井 将志事務部長

【講演の内容】

甲佐町の紹介→谷田病院の紹介→まちづくりのきっかけ→トランポリン教室→法人パレットの立ち上げ→パレットの事業(こどもミライ塾、キャンプ場再開発(COMMON IDOE)、古民家レストラン、古民家ホテルNIPPONIA)→病院で地域づくりに取り組む意義→課題と不安→強みと展望

(是非動画を御覧ください。)

 

【Q&A, 藤井・片岡対談】

・まちづくりは場所によって全然違うけど、とにかく楽しくないと人が集まらないし、広がっていかない。

・戦略的縮小戦略が重要と言われているが、それでも人口増を目指して、まちづくりをしている。

・1人の熱量があれば、1万人程度のコミュニティを動かすことができる。1万人規模のコミュニティ(甲佐・小国郷)はちょうどよい

・小国郷で甲佐みたいな事業はできないか?→ 必要なものは土地によって違うので、アプローチは異なるが、共通点はまちづくりに医療やケアが溶け込む為に必要な事を住民みんなで考えて実行していくこと。そういう意味では、同じ様なコンセプトの事業ができる。

・甲佐の事業は、行政とタッグを組めた事でスピード感が増した。

・0から1を作り出す。この世にあるものは、2回創造される。1つ目の創造は知的創造、2つ目の創造は物的創造。多くの創造は妄想のみで終わってしまい、妄想を現実化する2つ目の創造まで行き着くのが難しい。ワークショップで終わらせず、ワークする。考えるより行動重視。きっと現場力があるのでしょう。

・いろいろやっていると家庭にさける時間は少なくなり、ワークライフバランスはアンバランスですね。そこは課題ですが、0→1の段階はそういう頑張れる人がいないと成立しない。できたものを膨らます段階では、いろんな人を巻き込むと負担が減っていきます。

時間中に答えることの出来なかった質問への回答はこちら

藤井さんへの質問への回答(Q&A集)

【第2部】

バーチャル井戸端 〜ゆるっと小国郷のことを考えよう〜

「コロナ禍を小国郷で経験し、よかったこと・困ったこと」

【医療の立場から】

・小国は感染者がとても少なかった。熊本県下でも最も少なかった地域。

・自分で自分の健康をまもる意識が強い

・小国は平均寿命優秀。健康寿命が長い。

・オンライン診療を今後導入できればいい。

・物流(薬や食事)や人の移動をスムーズにするインフラがあるといい

・医療・ケアを守っていくのは、専門職だけではなく、町で暮らしている住民であるという意識が重要。

【介護の立場から】

・オンライン・リモート・ズームなどの横文字がよくわからなかったけど、今回のフォーラムに携わってみて、ちょっと言葉の意味がわかってきたし、自分でやってみようと思える様になってきた。

・若い人たちとのコミュニケーションツールになって楽しい。

・困っていること 利用者さんとゆっくり話せない。施設や病院で面会ができない。

・デジタル技術で、コロナ禍でも面会できればいいなぁ。

【子育て世代から】

良かったこと:山の中に住んでいるので、コロナ前と同じ様に、自然の中で遊べた。山の中だとコロナにかかるという不安はなく、安心感があった。外食の文化も元々なかったので、何かを奪われるということもなかった。田舎はいい。

一方で、子供の予防接種を受けに行ったり、アレルギーなどで病院受診するのに抵抗があった。病院に行かなくても、薬手帳のみで薬をもらえたら良いのに、と思っていました。安全なゾーンからでなくても、簡単な問診のみで、薬がもらえる出張所の様な仕組みがほしかった。

【高校生の立場から】

良かったこと:感染者が少なかったこと。小国の自然の豊かさで心を落ち着かせることができた。小国に感謝しています。

困ったこと:1)コロナにかかったら、噂が早いので、すぐに町の人に広まってしまうという不安があった。2)高校生の娯楽が小国にはあまりないので、市内に行ってしまう人もいた。小国内での息抜きの娯楽がほしかった。3)勉強は、教材や動画の自学のみだったので、不安があった。人の顔をみたり、双方向の会話のあるZOOM授業があった方がよかった。

【店を営んでいる人の立場から】

良かったこと:田舎で店を構えるのは大変だが、コロナ禍でライフスタイルの変化があり、家具を買う人が増えた。基本ネットショップだったので、追い風になった。光回線がひかれたことで、デジタルベースのサービスが使えるようになり、都会とのギャップが埋まってきている。

困ったこと:商談などで小国外にでるときに、小国にコロナを持ち込んだらどうしようという不安があり、人と会う機会が減った。

【コロナ禍の不安との闘いについて】

コロナウイルスの問題は、感染症としての側面と社会的問題としての側面があった。

人類全体が不安感との闘い。医療従事者も同様だった。

不安は人により多様であった為に、人による感じ方のギャップがでてきてしまい、諍いや誹謗中傷などが蔓延する原因となってしまった。

小国の経験から、1万人の規模であれば、コミュニティをある程度制御できるので、ゾーン分けすることは重要。自分のゾーンの今の感染状況がどうなのかの情報さえ入っていれば、他の地域の感染拡大による不安感に煽られることなく、暮らしていくことができる。自分の暮らすゾーンの感染者のでる頻度と交通事故の頻度を比較して、交通事故に気をつけている程度でよいのか、それ以下かそれ以上かで考えると過剰に不安にならなくてすむかもしれません。今後はワクチンを打った状態で第4波がくると思われ、対策も異なってくるはずです。常に環境がかわるので、状況に応じた対策が必要になってくるでしょう。

【小国出身の東京在住者の立場から】

小国出身で東京在住です。父母や親戚は小国郷でくらしています。年に数回会えていたが、今は制限されているのが困っていること。

両親に何か起こった時にどうしようという不安はある。両親の介護と東京の生活を両立させられるか漠然とした不安はある。両親が病院にかかる時に、状況が遠くの家族にも伝わると安心感につながる。病院に一緒についていかなくても、テクノロジーを使えばオンラインで情報提供ができるようになり、距離を越えられるのではないか。小国にいなくても、東京や海外でも同様のサービスが受けられる様になればいいと思います。

デジタルトランスフォーメーション(Dx)を日本で進めていくのがどれほど難しいかを経験している。医療でも教育でも行政でもハードルが高い。それでも、今回の様な試みが未来を切り開いていくきっかけになるといいな、と思って今回は実行委員会に名前を連ねました。今後も東京にいるけど、小国郷に住んでいる方々と意見交換をしていきたいと思います。

 

【コロナ禍を小国郷で乗り越える為に必要なこと】ミニワーク

フォーラム後に行ったアンケートの結果をお知らせいたします。

アンケート結果(pdfファイル)