■小国郷ケア情報シートの運用実績とアンケート調査の結果報告
小国郷医療福祉あんしんネットワークでは、小国郷の医療・介護・福祉の連携をより円滑に行うために「小国郷ケア情報シート」を作成しました。
小国郷ケア情報シートでは、生活状況、身体状況、かかりつけ医や薬剤などの医療情報、入院中や施設または在宅生活の経過ななどの情報を、その方に関わる事業所が共有します。平成28年2月から試行運用を開始し、平成28年12月から小国町・南小国町の承認を得て本運用となりました。
以下は、小国郷ケア情報シートの運用実績と、小国郷の事業所が小国郷ケア情報シートをどのように評価しているのかアンケート調査を実施した結果です。
1、小国郷ケア情報シート(試行運用版・本運用版)の使用件数について
調査対象期間はH28年2月1日~H30年1月31日まで
①小国郷ケア情報シートの利用者数(死亡された方を含む)・・・376名
②小国郷ケア情報シートを利用して連携した回数
居宅から医療機関 174件
居宅から入所施設 35件
医療機関から居宅 169件
医療機関から入所施設 145件
医療機関から医療機関 8件
入所施設から居宅 31件
入所施設から医療機関 117件
入所施設から入所施設 61件
居宅からから居宅 11件 ※包括から居宅、小規模多機能から居宅を含む
合計 751件
未使用だが同意書はとっている 77件
2、小国郷ケア情報シートを使用して、医療と福祉間の連携に役立ちますか。
80%の方が連携に役立つと回答しました。
【役立つと回答した理由】
・入院前の状態が分かってよい、何度も同じことを聴取しなくてすむ
・家族からの話だけでは分からない治療内容等の詳細が分かってよい
・入院中の経過、薬の内容など退院後の支援に役立つ
【どちらともいえない、あまり役立たないと回答した理由】
・入退院時に届くのが遅い
・小国郷以外では使用できない
3、小国郷ケア情報シートを使用して、患者様・利用者様の支援に役立ちますか。
70%以上の方が患者様・利用者様の支援に役立つと回答しました。
【役立つと回答した理由】
・入院前の情報があると退院後の生活のイメージがつきやすい
・入院中の様子や薬、医師の指示が分かることで、退院後のサービス利用時に注意することを事業所に伝えやすい
・症状の把握や薬の変化が確実に分かるので、入院しないようにするための具体的な声掛け、指導ができケアプランに活かせる
【どちらともいえない、あまり役立たないと回答した理由】
・入退院時にすぐ届かない
・個人情報の管理(鍵付きの保管庫)のため、目にする機会が少ないと支援につなげることは難しい
4、医療と福祉間の情報共有は今後必要ですか。
95%以上の方が必要であると回答しました。
【必要であると回答した理由】
・地域全体で生活を支えていく必要がある
・福祉と連携することで医療では見えないところが把握でき、退院支援につながっていく
【どちらともいえないと回答した理由】
・現在の小国郷ケア情報シートの情報では共有できている感じがしない
5、小国郷ケア情報シートはICT化を目指していますがお考えを教えてください。
【ICT化をしたいと回答した理由】
・手書きをするより早く記入でき、業務の効率化が図れる
・必要な時に必要な情報をすぐ得ることができる
・渡しに行く、取りに行く手間が省ける
【分からないと回答した理由】
・ICTを使いこなせるか心配
・ICT化にした場合の運用(システムや共有の仕方)がどうなるのか分からない
【紙運用のままでよいと回答した理由】
・費用の問題
・ICT化のリスクマネジメントが明確でない
・顔の見える範囲の小国郷内でICT化が必要なのか
今後も小国郷の皆様が小国郷で安心して暮らせるように、小国郷ケア情報シートを使用
しいてきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
※小国郷ケア情報シートで知り得た個人情報は、医療・介護・福祉の連携目的の範囲内で行い、それ以外の目的では使用いたしません。